秋田で広がるZEH仕様の注文住宅は補助金制度も活用できる
2024/02/15
ZEH仕様の注文住宅はエネルギー収支をゼロまたはプラスに保ち、快適な生活環境を提供します。高い断熱性や省エネ設備、太陽光発電によるエネルギー創出により、光熱費を削減し、地球温暖化対策や停電時の備えとなります。補助金制度を利用すれば、建築費用を軽減し、経済的なメリットを追求できます。
無駄なエネルギーを消費しないZEH仕様の注文住宅
ZEH(ゼッチ)は、エネルギー収支がゼロまたはプラスとなる住宅で、高い断熱性や省エネ設備を備え、太陽光発電により自家生成したエネルギーを使用し、余剰分は電力ネットワークに供給可能な住宅です。
◇住宅のエネルギーが実質0になる
ZEHは、「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略で、一般的には「ゼロエネルギー住宅」とも呼ばれます。この住宅は、そのエネルギー収支が実質的にゼロまたはプラスになるように計画・設計されています。ZEH住宅は必要なエネルギーの大部分を自己生成し、余剰エネルギーを発電して供給することを特長としています。
◇ZEH住宅はエネルギーを作り出す
ZEH住宅の実現にはいくつかの重要な要素が組み合わさっています。まず、高い断熱性能や省エネ設備の導入など、住宅そのものがエネルギーを効果的に活用できるように工夫されています。これにより、一次消費エネルギーが削減され、持続可能性が向上します。
さらに、ZEH住宅はエネルギーの創出も行います。主に太陽光発電を活用し、太陽から得られるエネルギーを電力に変換して家庭用の電力として使用します。この方法により、必要なエネルギーを自家生成し、余剰分は電力ネットワークに供給できます。
ZEH仕様の注文住宅のメリットとデメリット
ZEH住宅のメリットは、健康的で快適な生活、光熱費削減、地球温暖化対策、停電対策があります。一方で、初期費用やメンテナンスコストが課題で、太陽光発電の不安定な発電量や低い売電収益も懸念されます。
◇メリット
ZEH住宅は健康で快適な生活を提供します。その高い断熱性により、室温の変化を最小限に抑え、夏は涼しく冬は暖かい環境を維持できます。これにより、室内の寒暖差が少なくなり、特に冬のヒートショックのリスクが低減します。
ヒートショックの予防に寄与することで、健康で快適な生活を送りやすくなります。冬のヒートショックは脳卒中や心筋梗塞などの重大な病気を引き起こしかねないため、ZEH住宅の高い断熱性は生活の質を向上させます。
また、ZEH住宅は光熱費の削減にも寄与します。高断熱・省エネ・創エネの特性により、消費エネルギーを抑え、電気代やガス代を安く済ませられます。建築費用が高くなる一方で、補助金制度を活用すれば建築費用を抑えることができ、住み始めた後も光熱費の節約が期待できます。そのため、長期的には経済的なメリットがあります。
また、ZEH住宅は高性能であるため、売却時にも高い評価を受け、より高額で売却できる可能性があります。
ZEH住宅は地球温暖化の防止にも寄与します。エネルギー消費が少ないため、電力会社からの電気購入量が減り、火力発電によるCO₂排出が減少します。これは日本が2050年までにカーボンニュートラルを目指す中で、地球温暖化対策の一環となります。ZEH住宅の普及は、持続可能な住宅環境の構築に貢献します。
さらに、ZEH住宅は災害時の停電に備えられます。太陽光発電システムと蓄電池の導入により、自家発電した電気を蓄え、停電時にも電力供給が可能です。これは日本のように地震や台風が頻発する地域において、非常時の電源確保に寄与し、住民に安心感を提供します。
◇デメリット
ZEH住宅に太陽光発電システムや省エネ設備を導入する際、高断熱・省エネ・創エネの条件を満たすために初期費用が膨らみます。これに加え、省エネや創エネ機器の維持を確保するためには、定期的なメンテナンスが必要であり、これらのコストも考慮しなければなりません。
一方で、太陽光発電システムの特性上、日照時間の不足や周囲の建物の影響により、発電量が不安定になる可能性があります。特に日照時間の短い地域や住宅密集地域では、十分な発電量を確保することが難しくなり、これが補助金の基準をクリアできないリスクを生む可能性があります。
近年、太陽光発電の買取価格が下落しており、売電での収益が低下しています。このため、発電量が安定していても以前ほど高い価格で電力を売ることが難しくなっています。
以上のような課題に直面する一方で、これらの投資が光熱費削減や住宅の資産価値向上といった形で将来的に回収できる可能性も考慮しなければなりません。
秋田県でZEHの注文住宅を建てるなら補助金を活用しよう
ZEHには3種類の補助金制度が存在し、これらは環境省と経済産業省が管理しています。最大で1戸あたり100万円の補助金が提供されます。補助金の申請は先着順で行われ、特定の条件や省エネルギー条件を満たすと、補助金が増額される可能性があります。
ただし、補助金の申請時には間取りや設備変更が許可されておらず、慎重な決定が必要です。
秋田県でZEHの注文住宅を建てる際には、補助金を有効活用しましょう。
◇ZEHには3種類の補助金制度がある
ZEHの補助金制度には、いくつかのプログラムがあります。
まず、環境省が管轄するZEH支援事業では、ZEH、Nearly ZEH、およびZEH Orientedが対象となり、それぞれの住宅に戸当たり55万円の補助金が提供されます。さらに、ZEH+の場合は、特定の省エネ条件を満たし、追加条件を満たすと、戸当たり100万円の補助金が支給されます。
補助金額は先着順です。また、蓄電システム、直行集成板、地中熱ヒートポンプ・システム、PTVシステム、液体集熱式太陽熱利用温水システムなどの追加補助額もあります。
次に、経済産業省が担当する次世代ZEH+実証事業では、ZEH+およびNearly ZEH+が対象です。各戸には100万円の補助金が提供され、先着順で公募されます。蓄電システム、燃料電池、V2H充電設備、太陽熱利用温水システムなどの追加補助金が利用可能です。
最後に、経済産業省が管轄する次世代HEMS+実証事業では、ZEH+およびNearly ZEH+が対象です。このプログラムでは、ZEH+の要件を満たし、高度エネルギーマネジメントを選択する必要があります。
蓄電システムまたはV2H充電設備の導入が条件となり、燃料電池や太陽熱利用温水システムなども追加可能です。補助金額は戸当たり112万円で、蓄電システム、燃料電池、V2H充電設備、太陽熱利用温水システムなどの追加補助金が利用できます。公募は先着順です。
主な補助金制度は、先述の3つに加えて、ZEHの施工経験が少ない中小工務店などが関与する場合に適用される「地域型住宅グリーン化事業」(国土交通省)や、ZEH+よりも要件が厳格な「サステナブル建築物等先導事業」(国土交通省)も存在します。
◇申請の注意点
ZEHの補助金申請時に留意すべき重要な点は、「申請後に間取りや設備を変更できない」ことです。ZEH建設では一度申請した内容を変更しないと補助金を受け取れないため、検討が必要です。建築申請後の通常の変更が許されないため、間取りや設備についての決定は慎重に行う必要があります。
ZEH(ゼッチ)仕様の注文住宅は、エネルギー収支がゼロまたはプラスとなり、高い断熱性や省エネ設備を備え、自家生成したエネルギーを使用し、余剰分は電力ネットワークに供給可能な住宅です。これにより、エネルギー収支を実質0に保ち、さらにエネルギーを創出します。
高い断熱性や省エネ設備を導入し、太陽光発電を活用することで、健康的で快適な生活を提供し、光熱費の削減、地球温暖化対策、停電時の対応を可能にします。
一方で、初期費用やメンテナンスコストが課題であり、太陽光発電の不安定な発電量や低い売電収益も懸念されます。
しかし、補助金制度を活用すれば、建築費用の負担を軽減し、将来的な経済的メリットも期待できます。
特に秋田県では、ZEHの注文住宅建設には3種類の補助金制度があり、最大で100万円の補助金が支給されます。補助金の申請は先着順で行われ、留意すべき点は申請後に間取りや設備の変更ができないことです。
経済的なメリットを追求するなら、補助金を有効活用することが重要です。