注文住宅の基礎知識
どっちを選びますか?中古住宅と新築の比較
2023/07/30
住宅を購入するにはいくつかの選択肢があります。特に中古住宅と新築住宅では購入にあたって検討するべき点が大きく異なります。購入判断の基準としては、中古住宅と新築住宅のメリットとデメリットについてもよく理解したいところです。自分に合った住宅はどちらなのか、どういった基準で中古住宅と新築住宅を選ぶべきなのか、よく調べる必要があります。
中古住宅の魅力はコスパとタイパの良さ
まず、コストパフォーマンスについて解説します。
第一に、新築住宅と比較した場合、中古住宅は一般的に価格が安くなる傾向があるため、限られた予算でも、購入可能な住宅の選択肢が増えます。都心部に近いエリアでは、土地の価格が高いために、物件の価格全体に占める土地の価格の割合が大きくなり、新築との価格差が小さくなることがあります。しかし、郊外や地方ではコストパフォーマンスが高いと言えます。
また、既に出来上がっているコミュニティの中に住宅を購入できる点も特筆すべきポイントです。中古住宅は既成の住宅地にあることが多く、住民の生活が根付いている場合があります。そのため、コミュニティや生活に便利な施設が充実しているケースがあり、住みやすい環境が整っていると言えるでしょう。
さらに、建物の質があらかじめ把握しやすいこともコスパの良さを表していると言えます。一般的に中古住宅は築年数が経っており、耐久性や品質の確認がしやすいとされています。修繕の履歴を見ることができることから、住宅の品質を確認しやすく、長期にわたって住み続ける場合に、安心して暮らせる点もポイントです。
一方で、中古住宅のタイパの良さとしては、早期入居が可能な点が魅力です。中古住宅はすでに建物が存在しているため、物件によっては購入後すぐに住み始めることができます。急いで引っ越しをする必要性がある場合には、便利な選択肢となるでしょう。また、新築とは異なり、中古住宅は、設計の手間や時間を抑えて購入できる点も、タイムパフォーマンスが良いといえます。これらの要素により、中古住宅はコストパフォーマンスだけでなく、タイムパフォーマンスにおいても魅力的な選択肢となっています。
新築住宅の魅力は「理想」の家づくり
新築住宅の最大の魅力は、ゼロから「理想」の家づくりができる点にあります。新築住宅は、建物の設計から内装、設備まで、自分の希望やニーズに合わせてカスタマイズできるため、理想の家を実現することができます。どのようなカスタマイズができるのか、一例をご紹介します。
まず、新築住宅は最新の建築技術を取り入れられます。そのため、快適な生活空間を実現できるでしょう。断熱性や通気性、遮音性など、住宅環境をより快適にするための要素を、自分の好みで取捨選択することができます。
また、間取りを自由に設計できるため、子供たちの成長や、家族のライフスタイルに合わせたスペースや遊び場を設けることができます。
加えて、新築住宅では最新の建材や設備を取り入れることができるため、エネルギー効率の高い設備やスマートホーム技術を導入することができます。新しい技術に関心のある人にとって魅力的な選択肢になります。
ライフスタイルと住宅選択:最適な選択をするために
新築物件のデメリットとしては、まず中古物件と比較して価格が高めであることが挙げられます。これは、売主が不動産会社であり、その事業の利益や販売にかかる広告宣伝や人件費などのコストが、住宅の価格に上乗せされるためです。また、新築住宅には「新築プレミアム」と呼ばれる特有の割高要素があると言われています。これらの要素が絡み合って、中古物件より割高になる傾向があります。
また、新築の場合、建物が未完成の段階で販売される「青田売り」と呼ばれるケースがあります。この場合、購入者は建設地や図面、マンションの場合はモデルルームなどを見るだけで実物を確認することができません。そのため、実際の入居後に日当たりや眺望などがイメージと違うことがあり、「こんなはずではなかった」と後悔するリスクがあります。
さらに、新築は誰も住んだことのない物件であるため、入居後に起こり得るリスクを事前に知ることが難しいです。中古物件の場合は、前の所有者が住んでいた状況や修繕の履歴などを確認できるため、比較的リスクを把握しやすいといえますが、新築物件は予測することしかできません。
では、中古住宅にはどういったデメリットがあるでしょうか。
第一には、設備が古いことが挙げられるでしょう。中古住宅は、新築よりも建物や設備が古いことが一般的です。古い設備は新品に取り替えることもできますが、制限や設置が難しい場合もあるので、注意が必要です。
また、修繕費用が増加しやすい点も懸念事項です。中古住宅は経年劣化により、新築に比べて修繕にかかるコストが高くなる傾向があります。さらに、住宅ローンにおいて制約を受けることもあるかもしれません。中古住宅は築年数が経っている場合、住宅自体の担保価値が下がっていることが多いです。そのため、住宅ローンの審査で承認を得られない可能性が高くなります。
加えて、耐震性能に注意が必要です。日本では、大きな地震が起こるたびに、法改正が行われ、耐震性能が強化されてきました。1981年には、震度6強から震度7程度の大規模の地震での倒壊、崩壊を避けることを目指した、新耐震基準が導入されました。中古住宅の中には、この新体制基準が適用される前に建てられたものもあります。
中古住宅を購入する際には、いつ建てられた住宅なのか、どのような耐震性能を持つ住宅なのか、事前にチェックすることが必要不可欠と言えるでしょう。
以上を踏まえて、新築住宅と中古住宅のどちらを選ぶべきかの判断は、一人一人の条件によります。予算や広さ、駅からの距離、それぞれの物件のメリット、デメリットなどを考慮して、最適な選択をしてください。それらに加えて、住宅購入の際には、将来のライフスタイルや売却、貸し出しの視野に入れることも重要です。
一緒に住む家族や専門家の意見を聞きながら、慎重に選択をすることで、後悔のないベストな選択ができるでしょう。
中古住宅には、コスパやタイパに優れているという良い点がある一方、設備が古かったり住宅ローンが通りにくかったりするというデメリットがありました。その一方で新築住宅には、住み始めるまでに時間がかかったり、中古住宅と比較して費用が高かったりするというデメリットはありますが、まだ誰も住んだことのない、真新しい最新設備の家に住める、というメリットがありました。新築住宅を選ぶか、中古住宅を選ぶかは、それぞれのライフスタイルや予算など、さまざまな条件を考慮して選ぶことが大切です。
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