秋田で注文住宅を建てる~気候風土に合った家づくり
2023/06/13
快適な生活を送るためには、住む地域の風土気候に合う家づくりが大切です。秋田で注文住宅を建てるなら、まずは秋田の気候の特徴を知ることで、どのような住宅が適しているのか分かります。
秋田の気候の特徴
秋田は東北地方の北西部の日本海側に位置しており、北は青森県、東は岩手県、南は宮城県と山形県に隣接しています。気候区分では日本海側気候に区分され、地理的には奥羽山脈を隔てて日本海側に位置するため、県内での地域による気候の差はほとんどありません。
秋田県の気候の特徴は、冬期に季節風の影響を受けて沿岸部の降水日数が多く、日照時間が短くなることです。冬場の気温は首都圏に比べると低いのですが、沿岸部は温暖な気流の影響を受けるため極寒にはなりません。一方で内陸部は寒さが厳しく、特別豪雪地帯に指定されている地域もあります。
春は気温が上昇してこれまでに積もった根雪が融けていきますが、3月はまだ冬らしさが残り、時にはまとまった雪が降ることや、爆弾低気圧の影響を受けることがあります。4月になると気温が上昇し始め、5月に入ると場合によっては30度前後になるなど、一気に暑くなっていきます。夏は年によってフェーン現象が発生して猛暑になることもあり、熱帯夜が観測されるケースもあります。
秋田は日本海側に位置するため、東北に冷菓・冷害をもたらす「やませ」の影響はほとんどありません。平均的に6月の下旬に梅雨入りすることが多く、梅雨明け後も太平洋側に比べると雨量が多いのが特徴です。
9月には残暑の影響を受けることもあるものの季節の進みは早く10月半ば頃には紅葉が見頃で、年によっては11月には初雪を観測することもあります。冬は「冬型の気圧配置」の影響を受けて数日間断続的に雪が降り続く年もあり、内陸部や山間部は豪雪地帯です。
秋田や雪国の住まいに共通するもの
秋田や積雪量が多い地域には人命を守り、日常生活を送れるように様々な工夫がされています。
落雪式住宅(らくせつしきじゅうたく)
屋根に積もった雪をそのままにしておくと、雪の重みで戸や窓の開け閉めができなくなることも少なくありません。最悪の場合は屋根がつぶれてしまうため、屋根の傾斜を急にして雪が滑り落ちるようにしています。
また、豪雪地域では数メートルもの雪が積もることもあるため、3階建て住宅が多く、2階に玄関を設置している住宅も少なくありません。1階はコンクリート等で頑丈にして、暗くても支障がないガレージや倉庫にしているのが一般的です。
太い柱と分厚い壁
雪の重みに耐えられるように基礎部分が頑丈に建てられています。直径4寸角(約12㎝)の太い柱を使用したり、通常の住宅よりも柱の数を増やしたりする住宅も多く見られます。他にも一般住宅よりも壁を厚めにするなどの工夫があり、このような住宅を「耐雪住宅」と呼んでいます。
融雪住宅
不凍液や温水、ヒーター等を屋根に設置して雪を解かす仕組みの住宅です。
雪囲い
建物を守るために家の周りに柱を立てて板などで覆い、屋根から滑り落ちた雪や雪下ろしで落ちてきた雪から建物を守ります。また、庭木は雪の重みで枝や幹が折れてしまわないように、棒やわら縄などで多い、保護します。
大きな灯油タンク
雪国では大量の灯油を消費するためポリタンクでは間に合いません。そのため500ℓ近い灯油が入る大きな灯油タンクを敷地内に設置して冬に備えています。灯油タンクと各部屋の石油ヒーターとはパイプで接続されていますので、灯油がなくなるたびに給油する必要はありません。
秋田で注文住宅を建てるなら気を付けたいポイント
秋田など雪国の住まいには、雪が少ない地域とは違う視点での家づくりをしなければなりません。特徴的なのは、上述したように、積もった雪が階下へ滑り落ちやすいよう屋根に急傾斜を付けるといった工夫です。秋田で家を建てると決めたら、雪国での家つくりで意識するポイントを知っておきましょう。
高気密・高断熱
精度の高い部材を組み合わせ、できるだけ隙間ができないようにして気密性を高めます。住宅の気密性が高くなると外気の影響を受けにくく、室内の温度を管理しやすくなり、1年を通じて快適な温度が保つことができます。断熱性を高めるために壁や天井に断熱材を導入し、冬は室内の温度を一定に保ち、夏は外気を遮断します。
気密性と断熱性はどちらか片方だけでは十分な効力を発揮しないため、雪国では両方を組み合わせた家づくりがポイントです。
窓からの外気を防ぐ
一戸建て住宅の室温が下がる原因のひとつに窓からの外気の侵入があります。壁や天井は断熱材を用いて対処できますが、窓の隙間やガラス等から冷気の侵入には別の対策が必要です。窓に2枚組の「複層ガラス」を採用すると断熱性が高くなり、さらには生活音が周囲に漏れにくい遮音効果も期待できます。
一般的に使用されているアルミサッシは熱を通しやすい性質があります。断熱性を高めるなら「樹脂サッシ」や「アルミ樹脂複合サッシ」がおすすめです。
寒さ対策
雪国では寒さ対策も重要です。冷たい冷気は低いところに溜まる性質があるため床暖房を設置している住宅も多く、床が温まると部屋全体の温度が上がります。
雪国では寒さと雪に対する対処が必要です。注文住宅を建てる際には高気密・高断熱を重視して、床や窓の寒さ対策をおこなうことを意識しましょう。また、高気密・高断熱の住宅はそのままでは生活臭や化学物質が室内にこもりやすいため、計画的な換気機能が付いている住宅を選ぶことも大切です。
1963年創業の日沼工務店は、秋田の気候を知り尽くしています。秋田で高気密・高断熱の住宅を建てようとお考えなら、日沼工務店にご相談ください。