東北の家づくりのために天候を理解しよう!オススメのハウスメーカーも紹介
2024/01/25
東北地方は、日本海側と太平洋側の気候差が大きく、冬の積雪量も地域によって異なります。この気候に適した住宅づくりでは、雪対策や寒さ対策が重要です。落雪式・融雪式の屋根、二重窓、雪囲い、複数の出入り口、2階玄関、大容量灯油タンクなど、雪国ならではの工夫が凝らされています。
日本海側と太平洋側の雪景色に刻まれた風土
東北地方の天候の特徴は、地域の自然や文化、生活に深く根ざし、日本の多様な気候の一面を示すものです。冬の寒さと雪に対する地域住民の創意工夫や対応は、東北地方の魅力のひとつといえます。
◇積雪量に差が出る理由
東北地方で地域によって冬の積雪量に差が生じる主な原因は、奥羽山脈と日本海からの寒気の流れにあります。東北地方は、日本の他の地域に比べて冬の平均気温が低く、特に積雪が多い地域です。しかし、南北に長い奥羽山脈が走っており、太平洋側と日本海側の気候が大きく異なります。
東北地方で雪雲が発生するのは、シベリア方面からの冷たい寒気が日本海を渡る際に、暖かい海水の影響で雲が多くの水分を含んで雪雲となるからです。この雲が奥羽山脈にぶつかると、日本海側や内陸の山沿いに大量の雪を降らせます。しかし太平洋側は、雪雲が山脈を越えた後に水分を失うので、雪が降っても積もる量が少なくなります。
◇日本海側と太平洋側の違い
東北地方の冬は、日本海側と太平洋側で大きく異なります。上述したように、日本海側で形成される雪雲は、シベリアからの冷たい季節風が暖かい日本海上を通るときに吸収する湿った空気によるものです。このため、日本海側は日照時間が少なく、雪の降る日が多くなります。特に山地にぶつかると雪雲は上昇するので、山沿いに大量の雪を降らせるのです。さらに冬型の気圧配置が強まると、平地でも大雪に見舞われ、生活に影響を与えてしまいます。
太平洋側では、季節風が奥羽山脈を越えた際に空気が乾燥するので、晴天が多くなります。強い寒気の影響で雪が降ることがあるものの、東北地方南部の太平洋沿岸では、長期間の積雪はほとんどありません。
東北地方の気候は、雪深い日本海側と比較的温暖な太平洋側という、2つの異なる冬があります。東北地方独特の気候パターンは奥羽山脈を境にして大きく変わり、それぞれの地域ごとの冬の景色や文化を育んできたのです。
東北地方の冬の天候において、日本海側と太平洋側の違いは、地域の生活や文化にも大きな影響を及ぼしてきました。その違いにより、東北地方独特の豊かな自然と文化の多様性が形成されています。例えば、豪雪地帯では雪に強い建築様式が発展し、冬のレジャー活動や祭りもこの地域特有となっています。
雪国に生きる知恵で積雪に負けない家づくり
東北の家づくりは、雪や寒さの厳しい環境に適応するため、独特な特徴があります。積雪による負担を軽減するのが、落雪式と融雪式の住宅です。
ほかにも、二重窓や雪囲いが寒さから室内を保護し、複数の出入り口や2階玄関からは、雪深くなっても家にアクセスできます。大容量の灯油タンクも、冬季に必要な暖房燃料を確保するために欠かせません。
これらは、東北地方の厳しい冬に対応し、快適な生活を送るための工夫です。雪国での生活を豊かにするためのさまざまな工夫は、東北地方の家づくりの魅力の一部でもあります。
◇雪対策
東北地方の家づくりでは、特に雪対策が重要です。主な雪対策に、落雪式住宅と融雪式住宅があります。
・落雪式住宅
落雪式住宅は、急な傾斜の屋根を設計し、雪が自然に滑り落ちるようにします。3階建て住宅が多く、1階は雪に埋もれても大丈夫なよう頑丈なコンクリート造りで、主に物置や駐車スペースです。通常、生活空間は2階以上に配置されます。
・融雪式住宅
屋根を温めて雪を溶かす仕組みになっている住宅です。屋根に不凍液や温水を撒く方法、ヒーターで温める方法、室内から温風を送る方法などがあります。これらの工夫により、積雪の重みによる被害を防ぐのです。
◇寒さ対策
東北地方の冬の寒さは厳しいので、家づくりにおいて以下のような寒さ対策をするのが一般的です。
・二重窓
外の寒さから室内を保護するために、二重窓が設置されます。外の冷たい空気を遮断し、室内の暖かい空気を逃がさないように設計された窓です。二重のガラスの間にある空気層で断熱効果を高め、冬の寒さ対策に有効となっています。
・雪囲い
雪囲いは、屋根から落ちる雪が直接窓ガラスに当たらないようにする設備です。家の周りに設置し、窓ガラスの破損や家屋への損傷を防ぎます。
・複数の出入り口
東北地方では、積雪により出入り口が使用できなくなることがあります。その対策のため、複数の出入り口が設計されるのです。どのような天候状況でも、家に出入りできるようになります。
・2階玄関
深い積雪により出入り口が使えなくなったときの、もうひとつの策は、2階玄関です。2階にも玄関を設置し、雪の影響を受けずに家に出入りできるようにします。
・巨大な灯油タンク
厳しい冬の寒さで家庭での灯油消費量が増えるのに対応するために設置するのが、巨大な灯油タンクです。約500リットル程度の容量で、冬季を通しての灯油需要を満たします。寒さが厳しい東北地方では、暖房の維持が重要なので、大きなサイズの灯油タンクが必要です。
東北の気候に適した住宅が建てられる工務店
住友林業は自然素材を活かした家づくりが魅力で、積水ハウスは個別のニーズに応じた自由設計ができます。また、一条工務店は高い住宅性能が魅力です。
◇住友林業:自然の魅力を活かした住宅に最適
住友林業は、木の自然な特徴や美しさを最大限に生かした家づくりが特徴です。「PRIME WOOD」と呼ばれる高品質な木材を使用したオリジナル部材もあり、住宅には持続可能な森林から伐採された木材のみ使用します。
そして、強固な耐震性能を持つ「ビッグフレーム構法(BF構法)」は、巨大地震にも耐えうる構造です。
◇積水ハウス:個々の夢を形にする自由設計
積水ハウスは、顧客一人ひとりのニーズや夢を形にする自由設計を強みとする住宅会社です。専任の一級建築士やトップクリエイター集団で構成される「チーフアーキテクト」により、豊富な経験と知識を活かした住宅設計を、お客様の希望に沿って提案します。
また、ユニバーサルデザインの採用では、あらゆる年齢や体格に対応した、暮らしやすい住まいづくりが特徴です。
◇一条工務店:高い住宅性能を求める方に
一条工務店は、住まいの高性能化を追求し続ける住宅会社で、豊かで快適な生活環境を提供します。そのため、耐震性や断熱性、気密性や耐火性、耐風圧性能には、特に重点を置いています。
実際のモデルハウスで「標準仕様」の住宅を体験すると、実際に住んだ際の感触をリアルに理解できます。東海地震の危険に備えて開発された耐震技術も、地震の多い日本の環境では魅力的です。
東北地方の気候は、日本海側と太平洋側で大きく異なり、冬の積雪量にも差が生じます。奥羽山脈や日本海からの寒気の流れが影響しており、それが地域ごとの冬の風景や文化を形成しています。
日本海側は雪深く、シベリアからの寒気が日本海上で湿潤な空気に触れ、奥羽山脈にぶつかって大雪をもたらします。一方、太平洋側は気圧の影響で比較的温暖で、雪が少なく晴天が続くことが多いです。
この気候に適した住宅づくりでは、雪対策や寒さ対策が欠かせません。落雪式や融雪式の住宅、二重窓、雪囲い、複数の出入り口、2階玄関など、工夫が凝らされています。また、大容量の灯油タンクは冷え込みが厳しい冬季の暖房に対応しています。
東北地方で注文住宅を考える際には、地域の気候や文化を理解した上で、雪国に特化した工務店の選択が重要です。住友林業は自然素材を活かした家づくりが魅力で、積水ハウスは個別のニーズに応じた自由設計ができます。一条工務店は高い住宅性能が特徴で、耐震性や断熱性に重点を置いています。
これらの工務店は、雪国での生活に合わせた住宅提案を行い、地域の気候や風土を踏まえた住まいづくりをサポートしています。東北地方の厳しい冬に備え、快適で安心な住まいを実現するために、信頼性のある建築プロフェッショナルの協力を得ることが肝要です。