オール電化住宅を建てるなら知っておきたいメリットと注意点
2023/06/13
オール電化とは?注文住宅におすすめの理由
そもそもオール電化とはどのような仕組みなのか、住宅をオール電化にすることでどんなメリットがあるのかを見ていきます。
オール電化とは
オール電化とは、住宅で使用するエネルギーのすべてを電力にすることです。例えばキッチンのコンロ、空調、給湯システムなど生活に直結するものを電力でまかないます。暖房についても、ガスコンロや灯油などは使用しません。
オール電化のメリット
以下で詳しく見ていきましょう。
火事ややけどの心配がない
オール電化住宅のキッチンはガスコンロではなくIHクッキングヒーターを使用します。火を扱わないため、やけどの心配はほとんどありません。またIHは凹凸のないフラット構造ですから、掃除やお手入れが簡単です。家の中で燃焼が起こらないため、火事や一酸化炭素中毒といったリスクも生じません。
エネルギーコストが安くなる
オール電化の場合、エネルギーコストは電気代のみとなります。ガスも併用しているご家庭と比べると、エネルギーコストは安くなる傾向があります。
室内の空気が汚れない
キッチンではガスコンロを使用しないため、ガスの嫌な臭いが充満することがありません。灯油式の暖房の場合は灯油臭さが室内にとどまることも多いのですが、オール電化の暖房は主にエアコンや床暖房、蓄熱式ヒーターになるため、その心配もありません。
災害時の復旧が早い
災害時で怖いのが電気やガスがストップしてしまうことです。基本的に復旧速度はガスよりも電気のほうが早い傾向があります。東日本大震災のときも、電気の復旧はガスや水道よりもはるかに早かったのです。
オール電化住宅の設備・機能
住宅をオール電化にする場合に必要となる設備・機能を解説します。
オール電化で必須となる設備
以下で詳しく見ていきましょう。
エコキュート(電気温水器)
電気代が安くなる夜間にお湯を沸かす電気温水器のことです。夜間のあいだに沸いたお湯はタンクに貯まり、日中使うことができます。エコキュートの最大のメリットは、従来の電気温水器よりも電気代が1/3ほど安くなることです。エコキュートは省エネの観点からも、オール電化では欠かせない機器といえます。
IHクッキングヒーター
火を使用しない調理器具のことです。オール電化住宅の代表的な機器といってもよいでしょう。火力や熱伝導率はガスコンロより高く、手早く無駄なく調理できます。またガスコンロと比べると、火加減の調整がしやすいのもメリットです。
暖房設備
夏や冬を快適に過ごすためには、暖房設備は必要です。オール電化での暖房設備としては、エアコン、床暖房(温水式か電気ヒーター式)などです。
オール電化住宅では高断熱性が必須
給湯や調理とは異なり、暖房は断熱性能の良し悪しが快適さや省エネに大きな影響を及ぼします。これはオール電化、非オール電化でも同じことです。オール電化の暖房でも断熱性および気密性が低くなると、効率的に部屋を暖めることができません。
後悔しないために知っておきたい注意点
オール電化にもデメリットや注意すべき点があります。
昼間の光熱費が割高に
オール電化の仕組みは、電気代の安い深夜の時間帯に電気を使用して、全体の光熱費を抑えるものです。しかし昼間の電気代は高く、昼間に電気を多く消費するご家庭では、光熱費が割高になることがあります。そのためオール電化を採用するかどうかを検討するときは、ご家族のライフスタイルなどを考慮することが大切です。
お湯が足りなくなる可能性も
エコキュートで夜中に沸かしたお湯は、日中に使うことになります。タンクに貯まっているお湯の量は限りがあるため、すべて使い切ってしまうと再度お湯が貯まるまで待つことになります。ご家族の都合でお湯の使用量が多くなる場合は、好きなときにお湯が使えずにストレスになることもあるでしょう。
ほかの問題点として、電気温水器の水は飲料水として推奨されていないという点があります。洗い物や洗濯、トイレなどではいくらでも活用できますが、基本的に飲み水としてはカウントできません。
停電時は機器が使用できない
オール電化ですから停電時はすべての機器が使用できなくなります。他のライフラインよりも復旧速度は速いですが、それでも一時的にすべての機能が停止するわけですから悪影響は避けられません。「いつ復旧するか分からない」というのも、心理的な負担となります。
いつ停電に見舞われても対処できるように、事前に代替となるものを用意しておくことが大切です。例えばロウソク、懐中電灯、カセットコンロ、家族分のペットボトルなどです。冬場でどうしても寒さが厳しいときは、あらかじめ反射式石油ストーブとポリタンクに入れた灯油を用意しておくとよいでしょう。
注文住宅でオール電化を採用するご家庭は増えていますが、必ずしもメリットのほうが大きくなるというわけではありません。そのためオール電化を導入する前に、オール電化のメリット・デメリットはしっかり確認しておく必要があります。
お住まいの地域(気候)や家族のライフスタイルなどを加味して、「これならオール電化のほうがメリットあり」と判断できるなら、オール電化の採用を検討してみてください。日沼工務店では「HAVE-S工法」と「オール電化設備」で超低燃費を実現した住まいを提供しています。気になる方は一度相談してみてはいかがでしょうか?