秋田の注文住宅の相場は?秋田のエリア情報と雪国で家を建てる
2023/09/29
東北地方の北部に位置する秋田は、エリアによって特色は異なりますが、美しい自然環境、歴史と文化に恵まれた場所です。秋田の気候は冬が厳しいのが特徴で雪も積もりますが、四季折々の風景や季節ごとを楽しめるのが魅力でもあります。秋田の注文住宅の相場は全国に比べて低いですが、地元の気候に合わせて住まいの機能性を高めておくことが重要です。
秋田で人気のエリアは?気候の特徴
まずは、秋田に注文住宅を建てることをご検討中の方のために、秋田の魅力、気候の特徴、区分分けと人気のエリアをご紹介いたします。
◇秋田の魅力
東北地方の北部に位置する秋田県は、東京から約450kmのところにあります。日本海に面し、面積は11,638㎢で全国6位、人口は917,525人(2023年6月1日現在)で、1㎢当たりの人口密度は北海道に次いで低く全国第2位です。緑豊か広大な土地、壮大な山々、日本海などに囲まれ、秋田に住めば、大自然のなかでのんびりとした時間が過ごせます。地域ごとに異なる文化が根付いていて、1年を通じて伝統的な祭りと多彩な郷土料理を堪能できるのも、秋田に住む魅力のひとつです。
◇秋田の気候の特徴
秋田は日本海型気候で、冬は季節風が強まり、降水量と降雪量が多くなります。具体的な日数は、冬の強風の日(日最大風速10m/s以上)はひと月あたり約13日、曇天(雲量8.5以上)の日はひと月あたり約24日です。積雪量はエリアによって違いがあり、一般的に沿岸部の地域は比較的少なく、内陸部に入っていくほどに増加します。しかし、この厳しい冬の寒さがあるからこそ、四季の変化が顕著になり、季節ごとに気候や風景や楽しめるのです。
北日本は、夏に冷害をもたらす「やませ」と呼ばれる冷たい気流の悪影響を受けやすいですが、秋田は奥羽山脈あることでほとんど影響を受けることはありません。梅雨期は、太平洋側と比べて日照時間が長く、晴天日が多いですが、梅雨の終わるころになると、大雨がよく降るのも秋田の気候の特徴です。
◇秋田の区分の分けと人気のエリア
秋田は、県北エリア、県央エリア、県南エリア、3つのエリアに分けられます。それぞれのエリアで人気のある街は、次のとおりです。
・県北エリア
鹿角市: 自然が恵まれ、活気があります。地元の特色と食文化を楽しめますが、首都圏へのアクセスがやや難しいのが難点です。
・県央エリア
秋田市: 秋田の県庁所在地であり、都市の魅力と自然が調和しています。生活環境と教育機関が充実していて、高速道路や交通機関も整っているため生活がしやすいです。
・県南エリア
横手市:都市的な利便性と自然を兼ね備えた街で、B級グルメや伝統行事が楽しめます。教育環境も充実していて、子育てにも向いている地域です。
大仙市:四季折々の風景を堪能でき、温泉があり地元のお米がおいしいことで知られています。子育てもしやすい環境です。
羽後町: 自然が美しい田舎街のため、多少生活に不便がありますが、田舎暮らしを楽しむ人が増えています。移住前に、お試し体験をすることも可能です。
美郷町: 交通の利便性が高く、子育て支援や教育環境が整っています。自然が豊かで、新鮮な食材が入手しやすいのも魅力です。
秋田の注文住宅の相場は?相場から分かること
秋田は日本国内でも地価の安い地域で、費用を抑えて注文住宅を建てることが可能です。こちらでは、秋田の注文住宅の相場をご紹介いたします。
◇注文住宅の相場
注文住宅の建築費、土地取得費、延床面積、敷地面積、坪単価の相場は次のとおりです。このデータは、2022年度の住宅金融支援機構のフラット35利用者調査を元に作成しています。
土地なし注文住宅
建築費(万円) | 土地取得費(万円) | 延床面積(㎡/坪) | 敷地面積(㎡/坪) | 坪単価(万円) | |
全国 | 3,715.2 | 0 | 122.8/37.1 | 321.7/97.3 | 100.0 |
秋田 | 3,352.7 | 0 | 124.4/37.6 | 433.1/131.0 | 89.1 |
土地付き注文住宅
建築費(万円) | 土地取得費(万円) | 延床面積(㎡/坪) | 敷地面積(㎡/坪) | 坪単価(万円) | |
全国 | ,3194.6 | 1,499.5 | 1,11.5/33.7 | 237.0/71.7 | 94.7 |
秋田 | 3,000.0 | 611.7 | 110.5/33.4 | 305.3/92.4 | 89.7 |
本体工事費用だけ計算した場合、秋田の注文住宅平均相場は、土地なしで約2,766万円、土地付きで約2,475万円です。全国の相場と比較すると、土地なしで約360万円、土地付きで約200万円安く建てられることが分かります。
◇秋田の注文住宅の相場(坪数別)
坪数別の建築費用は、坪単価に坪数を掛けることで算出することができ、坪数別の建築費用は次のとおりです。
土地なし注文住宅
延床面積 | 20坪 | 30坪 | 40坪 | 50坪 |
全国 | 2,000万円 | 3,000万円 | 4,000万円 | 5,000万円 |
秋田 | 1,782万円 | 2,673万円 | 3,564万円 | 4,455万円 |
土地付き注文住宅
延床面積 | 20坪 | 30坪 | 40坪 | 50坪 |
全国 | 1,894万円 | 2,841万円 | 3,788万円 | 4,735万円 |
秋田 | 1,794万円 | 2,691万円 | 3,588万円 | 4,485万円 |
坪数別の費用で考えても、秋田では全国より約200~500万安くなります。ただし、注文住宅を建てるためには、本体工事費用に、別途工事費用と諸費用が必要です。
冬の寒さが厳しい秋田の注文住宅は断熱性能を重視しよう
寒さが厳しく積雪量が多いでは、室内の温度を暖かく保つための機能性を高めておくことが必要不可欠です。秋田で注文住宅を建てる際に重要になるポイントには、次のようなものがあります。
◇断熱性と気密性を高める
断熱性とは、熱の伝導を阻止し内部の温度を一定に保つ性能のことです。冬が厳しい秋田は、断熱性を高めないと室内の温度を暖かく保つことができません。断熱性を高める方法としては、外壁と内壁の間に断熱材、窓に樹脂サッシ、木製サッシ、複層ガラスなどを使うのが一般的です。一方、気密性は、屋内と外部の熱の移動をなくす性能のことで、秋田で室内の温度を一定に保つためには、断熱性と気密性の両方を高めなくてはいけません。具体的には、気密テープ、断熱材、防湿シートなどを使って隙間をなくして、気密性を高めます。
◇外断熱を採用する
断熱方法には、外断熱と内断熱のふたつがあり、それぞれの特徴は次のとおりです。
・外断熱
外壁の内側に断熱材を設置する方法で、さらに湿式工法と乾式工法のふたつがあります。断熱材をコンクリートに密着させるのが湿式工法で、外壁と断熱材の間に水蒸気の通り道を作るのが乾式工法です。
・内断熱
柱の間に断熱材を設置する方法で、工事が手軽で費用を抑えられます。
内断熱はコストが安い反面、反面気密性が低く、結露が生じやすいのがデメリットです。寒さが厳しい地域では、外断熱のほうが外部からの気温の影響を受けにくくため、秋田の住まいには外断熱のほうが適しています。
◇屋根に雪対策を行う
積雪が1mに達するとその重量は約300㎏にもなるため、積雪量の多い秋田では、屋根の雪対策も必要です。屋根の雪対策を行っておけば、雪かきによる事故や周囲の住民におよぼす被害も軽減できます。雪対策に適した屋根の形状は、自然落雪タイプと融雪タイプのふたつです。
・自然落雪タイプ
屋根に勾配があり、雪が自然に落ちていきます。安全で環境に優しく電気代がかからないため、自然落雪タイプを採用するのが一般的です。
・融雪タイプ
ルーフヒーターを使用して、雪を溶かします。落雪によるケガのリスクが低く、敷地面積を効果的に利用できますが、設置費用と電気代がかかるのがデメリットです。
秋田は自然豊かで四季折々の美しさを堪能できますが、冬の寒さが厳しく積雪量が多いのがデメリットです。土地の価格だけでなく、注文住宅の費用相場も安いため、費用を抑えてマイホームが建てられます。しかし、冬は室内を快適温度に保ちづらく、積雪が屋根や建物にダメージを与えるため、断熱性と気密性を高め、雪対策を行っておかなくてはいけません。具体的には、断熱性を高めるには、断熱材や複層ガラスを使う、気密性を高めるためには、断熱材や防湿シートを使う、屋根対策にはルーフヒーターを設置するなどの方法があります。住まいの機能性を高めるためには、高い技術力を有する工務店を選ぶことも重要です。