平屋は近年人気が高まっている?平屋の価格相場と岩手県の事例を紹介
2024/06/28
平屋は1階のみの構造で階段がなく、高齢者や赤ちゃんに安全で移動も容易です。家族のコミュニケーションが促進され、耐震性や耐風圧性も高く、太陽光発電の設置で維持費も抑えられます。しかし、広い敷地が必要なため都市部では難しく、日照や風通し、プライバシー確保にも注意が必要です。
近年平屋の人気が増加傾向
平屋とは、建物の階数が1階のみで構成される住居形態を指します。一般的な平屋住宅では、階段がなく、リビング、キッチン、浴室、洗面室、主寝室、子ども部屋など、すべての生活空間が同じ階に配置されています。この形式は、家族の移動や生活の利便性を考慮し、一階建ての利点を最大限に生かした住まいとされています。
近年では、デザインや快適性を重視した平屋の設計が注目され、多くの人々が2階建てや3階建ての代わりに平屋を選択する傾向にあります。
◇平屋が人気の理由
平屋の人気の理由は、その住みやすさと機能性にあります。
まず、階段がないため、赤ちゃんや高齢者、身体的に制限のある人にとって安全で、上下の移動が容易です。家事も効率的に行え、洗濯物の取り込みや掃除機の運搬が簡単です。
また、ワンフロアに家族が集まることでコミュニケーションが促進され、家族の絆が深まるという利点もあります。
建物の構造面では、平屋は1階部分に荷重が集中しやすいため、耐震性が高く、安定した構造を持ちます。低い建物高なので、強風による影響を受けにくく、耐風圧性も向上します。さらに、すべての空間から直接屋外に出られるため、緊急時には安全に避難できる点も重要です。
家族構成の変化も平屋の需要を後押ししています。世帯あたりの人員数が減少し、単身や夫婦の世帯が増える中で、コンパクトで使い勝手の良い住まいが求められています。
特に高齢者向けのバリアフリーな設計が容易であり、将来的な介護の観点からも平屋が選ばれるケースが増えています。
平屋のメリットとデメリット
◇平屋のメリット
平屋の魅力は多岐にわたります。
まず、バリアフリーな設計が挙げられます。階段がないため、高齢者や小さな子どもでも安全に移動でき、日常生活がより快適になります。
また、家事動線が集約され、洗濯や掃除などの作業が効率的に行える点も大きな利点です。天井の高さを活かして開放感ある空間を実現できることも、平屋建ての魅力の一つです。
さらに、広大な屋根面積を利用して太陽光発電システムを設置することで、電気の自給自足が可能になり、メンテナンスコストの削減にも寄与します。
また、屋根の修繕が比較的容易で費用も抑えられるため、長期的な住宅コストも削減できるというメリットもあります。
◇平屋のデメリット
平屋のデメリットにはいくつかのポイントがあります。
まず、広い敷地が必要という点が挙げられます。2階建ての住宅と比べると、同じ床面積を確保するためには広い敷地が必要です。特に都市部では土地の高値と建ぺい率の制約があり、希望の広さを実現するのが難しいことがあります。
また、周囲の建物の高さによる日照や風通しの影響もデメリットとして考えられます。周囲が2階建てや高層建築物で囲まれている場合、平屋の一部の部屋で、日が入りにくくなり、風通しが悪くなることがあります。特に中央に位置する部屋は光が届きにくいため、設計や周囲環境の配慮が必要です。
さらに、平屋は屋根の面積が大きいため、屋根材の交換やメンテナンスが2階建てよりも高額になる場合があります。また、住宅設計上、リビングなどの主要な生活空間が地上に位置するため、外部からの視線やプライバシーの確保も懸念されることがあります。
平屋の注文住宅の価格相場を紹介
◇平屋の建築費の相場
平屋の新築建築費の相場は、一般的に坪単価60万円から80万円程度です。これは地域や建築会社、設計によって異なりますが、一般的な指標として考えられます。
具体的な建築費用には、建物本体の費用の他にも付帯工事費や諸費用(設計費、申請費用など)が加算されますので、総額での予算計画が重要です。
間取りによっても費用は変動しますが、例えば2LDKから3LDK程度の広さを想定する場合、総額で1,500万円から3,000万円程度が一般的な目安とされます。建築費用は地域や素材、設計の複雑さによっても大きく変動するため、
◇2階建の注文住宅と比べてどちらが高い?
2階建て住宅と平屋を比較すると、建築費用の高さは複数の要因によって左右されます。まず、平屋は1階のみで全ての生活空間が配置されるため、同じ床面積の場合でも基礎や屋根の面積が広くなり、建築費の坪単価が1~2割程度高くなる傾向があります。これは平屋が地上に広がる構造上の特性から生じるものです。
一方で、2階建て住宅は2階分の床面積を考慮する必要がありますが、同じ敷地面積であればより多くの床面積を確保できることがあります。また、2階建てでは階段や2階の生活空間を追加することで、費用がかさむ場合がありますが、一般的には単純な床面積の拡大で建築費用が上がる傾向があります。
さらに、設計や仕様によっても費用は大きく変わります。例えば、2階建てであってもシンプルな設計や素材選びをすることでコストを抑えることが可能ですし、平屋でも高級な素材や特殊な設計を取り入れることで高額になることがあります。
岩手県の平屋の注文住宅事例
岩手県で実際に建築された平屋の事例をご紹介します。
◇大開口窓のある伸びやかな平屋
画像出典:パルコホーム
この平屋の特徴は、大開口窓と畳小上がりリビングが調和した開放的で快適な住空間です。大開口サッシがリビングと庭を一体化し、自然光をたっぷり取り込みながら開放感を演出します。木目調の天井と畳小上がりコーナーが空間に温かみを与え、家族がくつろぎながら日常を過ごすのに最適です。ザインと機能性が融合した住まいです。
◇ストレスなく暮らせる平屋
画像出典:大共ホーム
この平屋の特徴は、お施主様のニーズに合わせた快適な生活空間を実現した点です。外観は白い漆喰とグレーの窓が調和し、景観条例に沿いつつも個性的な招き屋根が特徴的です。ウッドデッキとスロープが設けられ、家族の安全を考慮した設計が施されています。
近年、平屋の人気が増加しています。平屋は1階のみで構成され、階段がないため、移動が容易で高齢者や赤ちゃんに安全です。家族のコミュニケーションも促進されます。耐震性や耐風圧性が高く、緊急時に安全に避難できる利点もあります。また、広い屋根面積を利用して太陽光発電が可能で、維持費が抑えられます。
しかし、平屋には広い敷地が必要で、都市部では難しい場合もあります。また、日照や風通し、プライバシー確保に注意が必要です。平屋の建築費用は坪単価60~80万円程度で、総額は1,500万円から3,000万円が一般的です。